フレッシュのカカオ

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Dream of Ecuador

〜エクアドルの夢〜

開設編

002/008

グアヤキル空港にて

フレッシュのカカオ
日本からシカゴそしてマイアミと乗り継いで25時間かけて着いたのがエクアドル最大の都市グアヤキル。
グアヤキルに着いてまず驚いたのが空港がとても大きく綺麗な事でした。沖縄の離島の様な空港を想像していていたのですがとんでもない。日本の都市空港と比べてもなんの遜色のない立派なものでした。

結婚してからは、家内がいっぱい持っているマイレージを利用させて頂きアップグレードしていたので、久々の長距離エコノミーで心配していたのですが何の事はない。
自分自身が「エコノミーは嫌!」なんて体になっていたらどうしようかと思っていましたが全くそんな事は無く快適で安心しました。やはり生まれがエコノミーな証拠でしょうか(笑)

もともと私は飛行機が大好きであります。目的地まで運んで下さっているだけでも御の字なのに映画を見ながら大好きなお酒を昼夜問わず(この時点で大体いつが昼か夜なのかも定かで無くなっていますが・・・)遠慮なく頂きほろ酔い気分でうとうとしていると到着なのであります。こんなありがたい事はありません。
今回もこの調子で夜にグアヤキルに着くと、またもや少し寝酒を頂いて翌日からのハードスケジュールに向けてぐっすりと眠りました。

翌日からは早速農場の視察に参りました。七泊八日の日程ですが実際に現地で行動出来るのは四日間だけです。この四日間見るべきもの学ばなければいけない事が山ほどあります。最終日にクライマックスであるTOSHIカカオ農園のオープニングセレモニーを組み込んでいるためそれまでの三日間に全て網羅しなければなりません。

最初に訪れたのが国立農業(カカオ)試験所です。二重にゲートが設けられそれぞれに銃で武装した警備員が配置されています。ここでまずカカオの知識をばっちりレクチャー。もちろんパティシエとして本で読んだ知識はありますがここではエクアドルの生きた最新のカカオの知識が必要なのです。

職員の方とトリニタリオ種

試験所の職員の方が無造作に手のひらでカカオの実を割り、差し出してくれました。(私達では木や石に叩きつけるかナイフを使わないと割れません)

初めて実際に見るカカオの実。
それは、真っ白でヌメヌメとしていて、皮を剥いた大きなトウモロコシの様。 早速一つもぎ取って口に中に入れて驚きました。

「甘い!」

カカオの実は想像していたよりもずっと甘く、まさに赤道直下のトロピカルなフルーツの味なのです。甘いのは外側の白いパルプの部分でその芯のある種子は少し苦く香ばしいナッツのようです。

この試験所で20種類以上のカカオの木を栽培していてそれを食べ、味とその品種の特徴を覚えなければなりません。ショコラの種類は一般にクリオロ種、フォラステロ種、トリニタリオ種が知られていますが、実はこれらは原種でそこから多くの派生種がありその中でも私達が目を付けたのが香りが強く味も素晴らしいフォラステロ種の中でも古くからエクアドルにあるナショナル種、その改良された品種EET559。

期待のEET559

この時点でもこれほど大掛かりで立派な農園とプロジェクトになるとは誰も想像していませんでした。この時点と言うよりも2010年9月22日その日を迎えるまで誰も・・・。

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