手探りのショコラづくり

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Dream of Ecuador

〜エクアドルの夢〜

初収穫編

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2010年 完成時のカカオ農園

手探りのショコラづくり
2010年9月22日、エクアドル・グアヤス県ミラグロ市にYoroizuka Cacao Farmは開設された。

夢が実現したかに思われたがそれはほんの序章にしか過ぎなかった。無事にカカオの豆は育つのか。そしてYoroizuka Farmのカカオだけを現地で発酵、乾燥させて日本に送って頂く事は可能なのか?。
通常は周辺でとれたカカオは集積所に集められ一か所で大量に発酵、乾燥させるのが常識である。農園を開設してもその加工所も全て併設して作ったわけではない。この農園はCecaoというカカオ組合に属しており(以前はUnocaseという組合だったが諸事情から分離した)組合ごとに一つの加工所で加工するのが常識である。

2010年当時のUnocase加工所

2010年加工所でのカカオ豆の品質チェック

日本の酪農などと同じシステムである。各牧場で加工するというような非効率かつ高コストな事は考えられない。しかしそれでは地域で限定する事は出来ても折角、品種や土壌など全てにこだわったYoroizuka Farmの良さはそのまま伝わらない
よしんばそれが出来ても検疫の問題は?。輸入の方法は?その後の加工はどうすればよいのか?機械は?場所は?・・・問題は山積みであった。しかしそれらの事を一つ一つ解決していくしか「畑からのショコラ作り」を実現させる道はないのである。予定の2014年の初収穫、そして販売に向けて。
Yoroizuka Farmのカカオだけを分けて発酵、乾燥して頂く事はCecaoに頼みこむしか道はなかった。
次に取り掛かったのは、送られてくるであろうカカオからショコラへ加工する機械をどうするかである。主に必要な機械はロースト(焙煎)、粉砕、選別、コンチング(精錬)の四つの機械。様々な伝手を頼って調べてみるとイタリア製で全てが一体型となった機械がある事が分かった。日本ではまだ導入している店は無いようだが検討している店はあるようだ。早速業者に話を聞いてみると自分の理想とは何か違うと感じた。金額も3,000万円以上と手が出る代物では無い。ショコラ製造の国産の機械は皆無である。無いのならば自分達で機械を作るしかない。
そこで注目したのが足立区にある富士珈機である。Cacaoの第一人者、小方さんも日本でショコラを加工する際に最も信頼されているのがこの会社である。

2010年当時のプロジェクトチーム ドゥベール氏やサンエイト貿易若旅社長、小方さんらと共にエクアドルにて

本来は珈琲の機械を作っている会社だがロースト、粉砕の原理は同じである。
選別に関しては富士珈機と懇意にしておられる近所の工房で作って頂く事にした。
2014年の収穫まで後2年。余裕を持って進めているようでもいつも間際でぎりぎりになってしまう。今回のプロジェクトはなんとしてでも成功させたい。 早め早めに動いていく事を心に刻んだ。

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