秋元康様 ありがとうございます!(後編)
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秋元康様
ありがとうございます!(後編)
前回に引き続き秋やんであります。昨年10月の高知での舞台、大成功だったのですがひょっとしたらお客様以上に盛り上がり熱冷めやらぬのは出演者であります。先日もシャッキンバードの飲み会に林真理子さん、姿月あさとさん、中園ミホさんらが参入して大盛り上がりの会になりました。シャッキンバードとは益博さん命名の会で要するに借金取り!。この舞台で借金取りの与太者を演じた四人衆であります。私の他、料理評論家・山本益博さん、東京大学大学院教授・河口洋一郎さん、BSフジ相談役・白川文造さん。そうそうたるメンバーであります。衣装も世界的な第一人者である河口さんがCGを駆使して作られた素晴らしい逸品であります。

さてさて前回からの本筋に戻りますと新宿での初めての本読みの際、上の空で会議を聞いていた私にあきやんが「この役はトシやんに!」といきなり振ってきた。 「何の事ですか?」何て聞くことも出来ず曖昧に返事をした事から引き受けた形になった役柄だが、ようやくその後の流れからして理解する事が出来ました。何と舞台の〆の司会者の役柄である。会議はもう次の議題に移り話合いは続いている。「これはヤバい。」別にその役柄が嫌な訳ではない。大勢いらっしゃる諸先輩方を差し置いてそんな大役を演じる事に凄く抵抗があるのである。挙手して「すみません。先ほどの件なんですがやっぱり無理です!」とはっきり断るかどうか悩むがそれも不自然である。〆の司会者と言ってもコミカルな役どころである。そこまで考えるのは却っておかしいのではないか。結局迷っている間に本読み&初会合は終わってしまった。

熱演

この日から猛練習が始まった(笑)。とはいえ朝から晩まで菓子作りに夢中の私にそんな時間は無い。菓子作りの時間を他の事に割く事は当たり前だが絶対に出来ない。そんな中、見つけ出した練習場所は移動の車の中!。毎日、アトリエ→恵比寿本店→ミッドタウン店を車で移動する。普段は一切テレビや新聞を見ない私の唯一の情報源はこの車内で運転しながらラジオかテレビでニュースや情報番組を聞くことである。この時間を全て舞台の練習に注ぎ込んだ。この間はもしも国内でクーデターが起こっても私は気が付かなかっただろう(笑)。何故そこまでただのボランティアの舞台にこだわったかというと抜擢してくれた秋やんの期待に応える為である。そう秋やんを「ぎゃふん!」と言わせる為だけである

怪演

舞台の前日の朝一に高知入りして山本益博さん、布袋寅泰さん、池坊美香さん、辰巳琢朗さんらと三つのセミナーをこなしいよいよその日はやってきた。メイクをしてヅラをつけ着物を着ると否が応でも気持ちが盛り上がってきた。幸い周りの方々にも好評である。いよいよ幕が上がり舞台は始まった。最初の私の役どころは林真理子さん演じるおりょうに絡む与太者役だ。それを姿月さん演じる竜馬が救い二人が初めて出会う、といった筋書きである。何とか多少の笑いも取れ無事借金取りの役どころは終了した。直ぐに着替え最後の司会者役の準備に向かう。舞台の袖から少し眺めると、さすがに皆さんその道のトップである。練習ではミスも多々あったが本番ではバッチリである。そんな中、最後に私がとちったら台無しである。益々プレッシャーがかかる。竜馬が中井美穂さん演じる暗殺者に切られその後全員で「土佐の海を見てるか」の大合唱に入る。私は舞台横の扉の裏で真っ暗の中じっと待機している。

迷司会者

合図で扉をドンと開け袖から舞台へ飛び出した。「うわっ!」。なんとなんと三階席まで総立ちで拍手が渦巻いている。急に明るい所に飛び出し目が眩みそうになる中、前席のお客様達の泣いている姿が目に入る。こんな事想像もしていなかった!。一気に舞台中央まで走り後は無我夢中の弁。「ありがとうございました。ありがとうございました・・・・」。 練習の成果がありお客様にもスタッフの皆様にも評判か良く何とか秋やんの顔を潰す事無く無事終わりました。高知の皆様ありがとうございました。そして秋やん貴重な体験をありがとうございました。この経験と仲間を今後、人として菓子職人として生きていく上での肥やしにして頑張ります!

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