エクアドルの夢 | エクアドルの夢〜第六章〜

様々なカカオ農園を見学させて頂く事によりカカオへの愛情と造詣が一段と深まりました。そんなカカオ農園訪問で心和んだひと時が地元の方との交流です。
毎日、見学の合間に地元の方が歓迎の宴を設けて下さいました。
調理風景
「調理風景」

当初はエクアドルの郷土料理に不安がありましたが素材の味を大切にした料理はどれも素朴でとても美味しく口に合わなかった料理は一品もありませんでした。
主食は日本と同じくお米です。日本で食べるよりは少し固めで塩分強めに炊いています。副食は主に野菜。人参、いんげん豆、そら豆、ブロッコリーなど少し塩を加えて茹でて食べます。他によく食べるのがバナナとユカイモです。「バナナがおかず?」と思われるかもしれませんが甘いバナナは輸出用で地元の方々は甘くない硬いバナナを頻繁に食べます。一般には油で揚げて食べ素揚げしたさつまいもに近い食感と味です。もう一品、ユカイモは現地のお芋でこれは蒸かして食べます。
シンプルながら豪華な一皿
「シンプルながら豪華な一皿」
たまに山に入る前に炎天下の中、道にそのまま泥だらけの魚が並べて売られていたり、生肉が吊るされて売られているのを見ました。
「ああいうのを出されたらいくら焼かれていてもおっかないなぁ」と思っていたのですが肉や魚は山中の一般家庭では滅多に食べないようで一度もお目にかからず助かりました(小エビはやはり茹でてよく食べるようでこちらは美味でした)。飲みものはビールです(ワインは現地の方は飲みませんしエクアドルでは作られていません)。よほどの奥地に行かない限り電気は山間の家々にも引かれており冷蔵庫があるので冷たいビールを飲む事が出来ました。日本ではビールをあまり飲まないのですが赤道直下のカカオ農園を歩き回った私にはこの冷えたビールは最高に美味しく一気に飲み干してしまいました。若い頃、一人で山登りにネパールに行った際には奥地には電気は通っていなくレストラン(RESTAURANTと書いてあるだけの民家でしたが)にさえ冷蔵庫はなく場末のバーのウイスキーのように埃まみれになって棚に並んでいた生ぬるいビールの味を何故か懐かしく思い出しました。
ビールが旨い!
「ビールが旨い!」
余談になりますが私は基本的に食べられない物がありませんがネパールのレストランで出されたある一品には閉口しました。適当に頼んだら出てきた五目炒飯の様な物の中に、口から火が出る位に辛い唐辛子がごろごろ入っているのです。普通ならそれだけ除けば良いだけなのですが店内は真ん中の壁付近に蝋燭が一つ灯っているだけのほとんど真っ暗状態なので全て食べるか食べないかの選択しか無いのです。おまけに水も出てきません。結局辛くて泣きながらも完食しました。それに比べればエクアドル料理は香辛料をあまり使わないシンプルな料理法なのでどこでも安心して食事ができました。

 いよいよ明日はTOSHI YOROIZUKA CACAO FARMの植樹式です。長い間打ち合わせを繰り返して来ましたがまだ農園は見ていません。先発隊がMr.Debertの指示のもとほとんどの苗木は既に植えられているはずです。Mr.DebertやUnocase(カカオ組合)の皆様は全面的に信頼していますが本当に私が望む農園に仕上がっているのでしょうか?。期待と不安が入交り胸が高鳴ります。なにぶんオーナーではありますがカカオ農園に関しては素人も同然なのです。関係者が250人以上集まるそうですが幸い天候は良さそうです。

もうここまでくれば皆さんを信頼して明日に向けて休むしかありません。もっとも私は一日の仕事が終わり大好きなお酒を飲めば大抵ぐっすり寝込んでしまいますが・・。